人生に没入したい

もしかすると、みんなもそうで、当たり前のことを言っているのかもしれない。

いつも私を見ている、もう一人の私がいる。あるいは、私が「私」という着ぐるみの中にいるような感覚がある。大きな着ぐるみの中に自分がいて、真っ暗な空間の中で、目の部分から外の世界を見ている。実際の世界に触れるのは着ぐるみの私。本当の私は、着ぐるみの中から、着ぐるみの私が行動する様子を見ている。

上の空というのか、心ここにあらずというのか、私という身体を操作している、私という心がいる感覚。Self1とSelf2なんて言葉があるくらいだから、勿体つけて話すようなことでもないだろうが、いつもそうやって実際に動いている私を、もう一人の私が批判的に(文字通り批判しながら)見ているようなところがある。

このもう一人の私はどこに行っても付いてくる。これが付いてこないのは、物語の世界だけだ。というより、物語に触れているときは、心だけになっているのかもしれない。あるいは、心と体が一致しているのかもしれない。いずれにしても、もう一人の冷めた、口うるさい私が消える。消えなくても、存在が希薄になる。

そのくせ冷静沈着に物事に対応することはできず、何事にもあたふたして、その場で上手く振る舞えない自分に落ち込む。生きるのが下手である、という自覚だけが異様にはっきりしている。そんなものはなしに、私はただ人生に没入したいだけなのだ。