線を引く場所と濃さ

さて、もう少しだけMさんの話をさせてくれ。

最近私は彼女にいいように翻弄されているが、もしかして同じ原理で、私も「おばちゃん」たちを翻弄してしまっているのかもしれないと思ったのだ。というのも、私とMさんが、ある同じ考え方をしていることが分かったからだ。

それは「あまり人を嫌いにならない」ということである。どんな人を見てもだいたい「その人はその人だ」「そういう人がいるのか」という感想に収まることが多い。「自分とは合わないな」と思っても、「これはダメだ」「コイツは嫌いだ」とまではあまりならない。人を断じない。そこまで行ったら、それはもうすでに関係は終わっているのだ。

人とこういう付き合い方をする人間は、おそらく嫌われ者(浮いてる人、変な人)に好かれやすい。私がそんな人たちを惹きつけてしまうように、(きっと嫌われて浮いてる変な)私も彼女に惹きつけられてしまったのではないか。

とはいえ、Mさんの線の引き方は私とは違う気がする。線を引く場所がもっと相手に近くて、しかしその線が濃いのである。

Mさんは好奇心旺盛で何にでも積極的に参加したがる。そこに楽しみを見つけるのが得意な人のようだ。かつては旅行に出かけ、そこで仲間を作って、みんなで観光地を回ったりするなんてことを繰り返していたらしい。それでいて、その後も交友関係を続けるということは一切しないのだという。

私はそもそもこんなことを絶対にしないのだが、「やれ」と言われたら案外上手くできるかもしれないタイプで、しかも仲良くなったらちょっとその関係を維持したいと思うタイプだ。でも、そう思うけど結局上手に維持はできないタイプでもある。要するに、線は相手よりも少し手前(自分側)に引いているが、線が薄いのである。

上手く喩えられている自信がないが、同じ思想を持ちつつ表現が違うようなところが分からなくて興味深いし、スパッと人間関係を整理しているMさんに私は学ぶところが多いのではないかと思っている。