筋膜リリース:身体の偏りをなくす

心・脳を鍛えるために、心・脳を含めた身体の全てをひとつのものとして鍛えよう、というのが基本的な考え方であった。しかし、とにもかくにもまずは身体だ。身体の全体性を回復させることが我々の喫緊の課題である。

したがって、身体を部位に分けて鍛えるという方法を我々(私)は採らない。原則的に筋トレをしないのも、それによって部分ごとに偏りが生まれてしまうという理由によるのだが、それ以前にそもそも私たちの身体は十分に歪み、偏りが生じている。

その偏りの一つが「凝り」だろう。使いすぎた部分、あるいは逆に使わなすぎる部分が固くなってしまう。これを徹底的にほぐしたい。そこで筋膜ローラー(フォームローラー)を用いてマッサージを行う。

試しに、うつ伏せになって太ももの前をローラーでコロコロやってみよう。激痛が走ってとてもじゃないが続けられないと思う。一方、ローラーの上に座って、お尻から腿の裏をコロコロしてもさほど痛くない、人によっては気持ちいいくらいだと思う。要するに、普段から腿の前で支えるようにして立っていてそこを酷使しているということなのだが、そのことにほとんどの人が気付いていない。例えばこんな感じ。

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一度、自分が本当にまっすぐ立てているか確認してみよう。腿の前が痛かった人は、恐らくまっすぐ立てていない。動画の大泉洋のように(これは少し極端なような気もするが)前に重さが掛かっている。よくよく自分を観察すれば、腿の後と前を比較して、前の方が緊張していることを感じ取れるはずだ。

この腿の後と前にかかる体重の比率をイーブンにしたい。不思議なことにイーブンにすると中心を貫く骨に体重を預けることになり、筋肉にほとんど緊張を感じなくなる。ただそれを維持するのは難しいので、とにかく腿の前で立っていることに気付いたら、それをすぐに止めることを癖づけていきたい。

ローラーを使って身体をほぐしたいのだが、身体の癖を取り除かなければ結局また同じように凝りが生まれる。だから、ローラーによって身体をほぐすのと同時に、痛みを覚えた箇所(=偏った使い方をしている場所)を探して、自分の癖を取り除いていくのだ。